どうも一介のオタクです。前記事→たのしい「U.A.(ウルトラアスリート)」 - 竜の霊廟
今回はヴェルズについてつらつらと書いていきます。
ヴェルズとは何ぞや
ヴェルズとは、デュエルターミナル「星の騎士団セイクリッド!!」初出、ランク4エクシーズ召喚を基本戦術とする「ヴェルズ」モンスターおよびそれらをサポートする「侵略の」魔法・罠で構成された集団です。インヴェルズについては原則この記事では扱いません。ヴェルズのトーナメントシーンでの活躍と衰退についても同様です。
“レベル5以上のモンスターを特殊召喚できない”という「ヴェルズ・オピオン」の能力の強烈さに霞みがちですが、「ヴェルズ」モンスターの能力は非常に多彩です。例えば「ヴェルズ・オランタ」「ヴェルズ・カイトス」は単体除去、「ヴェルズ・マンドラゴ」は展開、「ヴェルズ・サンダーバード」は擬似耐性──というふうに。一方、能力の多彩さだけではカテゴリ内のまとまりに欠くのも事実。そこで重要になってくるのが「侵略の侵喰感染」であり、「ヴェルズ・ケルキオン」であり、「インヴェルズ・オリジン」です。これらが手札・フィールド・墓地・デッキ──あらゆる場所の「ヴェルズ」モンスターを循環させることで、このデッキは成立しています。
レシピ
コンセプト
除去って、殴る。
これに尽きます。余力があれば置物ランク4で蓋をします。横に伸ばす展開は元来不得手なので、後述の「インヴェルズ・オリジン」との噛み合わせも考え、基本的に後手を選択し破壊による全体除去で採算を取ります。
メインデッキ
「ヴェルズ」モンスター
「ヴェルズ・カストル」
手札のヴェルズを吐き出しリンクやエクシーズに繋げられるスゴいヤツ。
召喚に成功するとチェーンブロックを作らず効果が適用されるため、「エフェクト・ヴェーラー」「無限泡影」の類は一切効きません。*1モンスター効果無効系の置物を前にしても、チェーンブロックを組まずに3アクションでリンクやエクシーズを成立させられます。基礎打点も優秀、3枚入れない理由が見当たらない。3投。
「ヴェルズ・ケルキオン」
リソース確保の要。
①で任意のヴェルズを墓地から回収し、②で追加の召喚を行う一連の流れは非常に重要。カストルを召喚してモンスターを横に伸ばしたり(逆も然り)、オランタやカイトスを召喚して除去を振ったりと柔軟に働きます。
なお、②で召喚するモンスターは①で回収したモンスターでなくても構いません。侵喰感染で任意のヴェルズと入れ替えた後で召喚する、手札で温存していた別のヴェルズを召喚するなどの芸当も可能です。
③のリリース軽減についてはほぼ「ヴェルズ・コッペリアル」専用と捉えていいです。自然にエクシーズ素材から外れてリリース軽減、というタイミングが理想的。
どう考えても3枚必要なカードなので当然3投します。
「ヴェルズ・マンドラゴ」
緩い条件で展開できる優秀なモンスター。
例によってチェーンブロックを組まないため、カストルとほぼ同様に扱えます。後手を選んでも比較的自由な行動が保障されるのはこれら2種の存在あってのこと。3枚入れます。
「ヴェルズ・ヘリオロープ」
ルメトモ。
バニラであるが故に躊躇せずに素材にでき、素の打点は下級最高なので殴りも可能とそう悪い面だらけでもありません。でもやっぱり初手には来ないでほしいしトップもしたくない。
「予想GUY」で呼んでリンクやエクシーズに用います。この構築では「レスキューラビット」が不採用のため3投は論外、ピンでは予想GUYが腐る可能性があるということで間を取って2枚に。それでもヴェルズネームがついているだけ幾分かマシです。
「ヴェルズ・サンダーバード」
離脱耐性を得られる鳥。
「激流葬」と合わせこちらだけモンスターを残して除去を行う、相手ターン中にオリジンから出して離脱し返し用のモンスターを確保するなどの役割を担っています。
離脱中のワンショットには気をつけましょう。3投するほどではないものの、比較的バリューの高い下級であるため2枚入れます。
「ヴェルズ・コッペリアル」
相手によって墓地へ送られると期限付きでモンスター1体を奪える上級ヴェルズ。デッキレシピで先頭に来ているのは単純な見栄えによるものです。
ケルキオンの③で出てきて相手のエース級を牽制、仕事が果たせないようなら侵喰感染で戻ってもらいます。自爆特攻でも効果が出るため最後のゴリ押し等にも有効です。なお、手札へのバウンスでも効果が出ます。
侵喰感染からの銀弾枠として1枚挿します。
「インヴェルズの先鋭」
フィールドから墓地に行くと強制で儀式・融合・シンクロモンスターを破壊するレベル4インヴェルズ。オリジンの登場で脚光を浴びた一枚です。
これをオリジンのリンク素材にすることで、破壊効果から即座にオリジンを起動できます。置物を1回分消費させるだけでも素材としては十分な働きをしてくれます。オリジンで相手ターンに展開するのも地味ながら侮れない選択肢。
侵喰感染かオリジンでの銀弾枠として1枚。シンクロや融合偏重の相手には増やす価値あり。
「ヴェルズ・カイトス」
ヴェルズネーム付きの魔法・罠除去。
ケルキオンや侵喰感染で使い回せます。置物の解除にはもってこいの一品。殴っても強い。銀弾枠。
「ヴェルズ・オランタ」
ヴェルズネーム付き、表側限定の「ならず者傭兵部隊」。
カイトスと同様、ケルキオンや侵喰感染で使い回せます。地味にオリジンのトリガーにもなれる。銀弾枠。
「ヴェルズ・アザトホース」
リバースかつ対象を取るものの、特殊召喚されたモンスターをデッキバウンス可能なモンスター。
不意にめくれると思わぬ打撃を与えられます。単体で素引きしても最低限仕事はこなしてくれる有能銀弾枠。
「ヴェルズ・オ・ウィスプ」
このカードと戦闘を行った効果モンスターの効果を、ダメージ計算後に強制誘発で無効にするモンスター。発動を伴わなければ無敵でした。
自爆特攻で無理矢理置物モンスターを無効にするといった芸当が可能です。とはいえ、相手ターン中にオリジンで展開し、壁役として置いておくのがほとんど。銀弾枠。
「侵略の」魔法・罠
「侵略の汎発感染」
速攻魔法の全体耐性付与。
ケルキオンに飛んできた泡影を弾いたり、攻撃反応系をシャットしたり、自分の「ブラック・ホール」や激流葬からヴェルズを守ったりと八面六臂の活躍をしてくれます。
汎発感染の適用中は「侵略の侵喰崩壊」を打っても意味がないため注意。また、このカードの発動以前から適用されている魔法・罠の効果は引き続き適用されてしまう点にも留意してください。*2
3投するほどではなくとも、オピオンでサーチが利く上ダブっても構わないため2枚入れます。
「侵略の侵喰崩壊」
自身含めて2:2交換の罠。
除外されたヴェルズを再利用する手段はほとんどないため、注意深くタイミングを見極める必要があります。一方で使用済みのオピオンや「ヴェルズ・ナイトメア」、オリジンから出して余ったヴェルズ等を除去に変換できるのは決して小さくない利点です。
ダブりがきついカードではあるものの、オピオンからサーチできる除去ということで2枚投入。
「侵略の侵喰感染」
場・手札のヴェルズをデッキに戻すことで、任意のヴェルズを手札に供給する永続罠。デッキに戻すのはコストのため、「灰流うらら」が飛んできた場合は1枚分の損失、「幽鬼うさぎ」に至っては2枚分の損失となることに気をつけましょう。
オピオンの筆頭サーチ先です。このカードで常時手札にケルキオンをスタンバイさせておくことが非常に重要。罠である点を活かし、フリーチェーンで擬似的に離脱耐性を付与するカードとしても捉えられます。
ステータスの高い下級をこのカードで回しながら殴りつけるのも、単純なものの有用な戦術となります。
3枚は多すぎ、1枚ではオピオンが止まった場合に困るということで2枚投入。
その他
「ダイナレスラー・パンクラトプス」
「海亀壊獣ガメシエル」「粘糸壊獣クモグス」
「ブラック・ホール」
「サンダー・ボルト」
「ハーピィの羽根帚」
後手を取る上での人権。
パンクラはオリジンのトリガーにもなる他リンク先に置いて耐性を持たせることもできます。
壊獣は破壊の効かない相手を黙らせるためのカードですが、パンクラと同様オピオンとアンチシナジーを引き起こすので計2枚です。ガメシエルは固定として、クモグスはガメシエル以外でオピオンが殴り倒せる唯一の壊獣である点で採用。「烈風の結界像」を見るなら「怪粉壊獣ガダーラ」か。
ブラホ、ボルトは置物を誘い出したり、オリジンのトリガーになったりします。羽根は打ち得。
「増援」
「死者蘇生」
「予想GUY」
増援は4枚目のカストルとして、蘇生はヴェルズの水増し要員、予想GUYはヘリオロープの展開要員としての採用。
「激流葬」
相手ターン中にオリジンで大量破壊を狙うならこれ。ただしオリジンの効果は時の任意効果のため、タイミングを測る必要があります。先手を取らされた際にもこれとサンダーバードでなんとか誤魔化したい。
先述の人権カード群全般にも言えることですが、汎用除去ばかり引きすぎてヴェルズを引かないという事態も起こり得るためバランスは考える必要があります。
「ヴェルズ」モンスター
「インヴェルズ・オリジン」
①の効果はほとんどおまけに近いものの、リンク先への展開を誘導することで②の耐性を機能させやすくします。エクストラのモンスターを複数体並べるデッキに対しては意外な効力を発揮したり。
②の耐性によって、しぶとく生き残りヴェルズを供給し続けることができます。
特に重要なのは③の効果で、任意のヴェルズを複数体展開できる可能性を秘めています。とはいえ無からモンスターを破壊することはできないので、先述の全体除去を②の耐性と絡めて通し、相手モンスターを注ぎ込んでヴェルズ化するというのが理想的な流れです。
また、モンスターに触れない場合でも、ケルキオンを含めたレベル4ヴェルズ3体を展開することでこのカードを経由しつつオピオンを立てられます。この流れは特に先手を渡された場合に有効です。
場持ちがよく、3枚入れるほどではないため2枚入れます。
「ヴェルズ・オピオン」
名実共にデッキの核となる一枚です。
①は一部のデッキを機能停止に追い込める反面全く効かないというデッキも多いため、ほんのおまけ程度と捉えていいです。おまけとしては明らかにオーバーパワーですが。
本命は「侵略の」魔法・罠をサーチする②の効果。優先順位は侵喰感染>汎発感染>侵喰崩壊ですが、フィールドや手札の状況・相手のデッキ等の情報から最善のものを選択したいところ。
打点もかなり優秀。汎発感染を絡め魔法・罠耐性付きのクロックとして運用することもできます。素材を吐き切った場合にはオリジンのリンク素材に充て、墓地に落ちれば真っ先にケルキオンのコストになるなどどこにいても確実に役立ってくれます。
3投もありと言えばありですが、①の効かない相手のことも考え無難に2枚投入。
「ヴェルズ・バハムート」
素材と手札のヴェルズを切ることで、相手モンスターのコントロールを奪うエクシーズ体。
対象に取れるモンスターであればオランタで処理した方が手っ取り早いのですが、奪って用いることで利益がある場合はこちらを使うことがあります。
棒立ちのモンスターを奪ってエンドカードにするなど詰めの局面でも輝きます。
複数入れるカードではないので1枚。
「励輝士 ヴェルズビュート」
「天霆號アーゼウス」に活躍の機会を譲ったかつての必須級ランク4…と思いきや、即効性に優れる点、破壊による除去でありオリジンとシナジーする点、ヴェルズネームが付いているという点はこのカード独自のものです。そのため、この構築ではアーゼウスと共存します。
発動のタイミングが限られている分対処されやすいのが難点ですが、ダメージはゼロでも戦闘は行えるということで殴りに行き、メイン2でアーゼウスに切り替えてしまうのもありかと思います。
「ヴェルズ・ナイトメア」
特殊召喚されたモンスターを2回まで寝かせられる、ランク4の置物その1。
時の任意効果であり、ダメージステップには発動できないなど制約もありますが、対象を取らない効果故に同時であれば複数体の特殊召喚にも反応できます。*3
強力というわけではないですが、相手のテンポを確実に乱せるカードなので気に入りの一枚です。お好みで。
その他
「ヴァレルロード・ドラゴン」
オリジン+モンスター2体でのリンク召喚が基本となります。
バハムートと比べ消費が1枚多い代わりに対象を取らず、また自身もある程度の耐性を備えターンを跨いで生き残る可能性があるという特長があります。耐性持ちを奪って殴った上で安全に処理しつつ、戦闘においても幅を利かせるというのは他のモンスターではなかなかできません。ナイトメアなんかと一緒に並べておけるとより安心ですね。
ただ高リンクモンスターは激戦区で、手っ取り早い除去であれば「アクセスコード・トーカー」、決めに行くのであれば「ヴァレルエンド・ドラゴン」等も存在します。それぞれ使用感に合ったモンスターを選択するのがいいと思います。
「天霆號アーゼウス」
エクシーズが戦闘を行ったターンに重ねて出せ、墓地送りによる全体除去を行う高ランクエクシーズです。
追加のエクシーズ素材を調達する手段はこのデッキにはないので、基本的に使い切りです。うららでサーチの止まったオピオン、二つのモードを使用し素材を余らせた「塊斬機ラプラシアン」などが下敷きの候補でしょうか。
非常に強力な反面、自分フィールドも巻き込んでしまうためオリジンや侵喰感染との兼ね合いが悩ましいところです。迂闊に打てば自分の首を締める可能性もあり、後続の確保がより重要になってきます。
「SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング」
+「No.39 希望皇ホープ」
こちらはかつての人権。
50打点になり重量級を黙らせた後も墓地発動が厄介な小粒を狩りとれるなど、エクストラ2枠を割く価値はまだあると判断しました。
ただカストルやマンドラゴなどが妨害を喰らいづらいことの煽りを受け、出てきたエクシーズ体の方に妨害が飛んでくることが多いため、あまり過信はできないかなとも思います。
「ライトドラゴン@イグニスター」
①の効果で対象を取らない破壊を振れ、②の効果でリンクモンスターを蘇生、③の効果で使い切りの破壊除去耐性を付与できるランク4エクシーズ。
主に①の効果を使います。例のごとくオリジンのトリガーにもなれますね。
②の効果も地味に優秀ですが、高リンクモンスターの枠をサイバースに変え、なおかつライトドラゴンを残してやればあるいは…というところでしょうか。アクセスコードの除去効果とかち合いますが、理論上はオリジン素材43アクセスコード+23ライトドラゴン+20オリジンでキルが成立します。
③の効果については、これが見えていて破壊除去を振ってくる相手はそういないので、自分の激流葬に巻き込む形での使用が最も適切かと思います。
総じて小回りの利くエクシーズモンスターであり、その点を評価しての採用となっています。
「No.41 泥酔魔獣バグースカ」
表示形式によって適用する効果が変わる、ランク4の置物その2。
主にオリジンのリンク先に守備表示で置き、展開をもたつかせるために使います。ただオリジン+ランク4の布陣を用意できるのであれば積極的に攻めた方がいい状況もあり、リンクモンスターの横行も相まって全幅の信頼が置けるモンスターではなくなっています。
1ターンもたつかせた返しで縦にし、アーゼウスに繋げるような流れになります。
「塊斬機ラプラシアン」
3体素材を要求する代わりに、取り除いた素材数に応じて効果を発動できるランク4エクシーズ。*4
カストル+ケルキオン+α、マンドラゴ+カストル+α、オリジンで湧かせたヴェルズ3体…というような出し方が考えられます。狙って出すようなモンスターではありませんが、一度に複数の領域に干渉できる点は見逃せません。エクストラデッキに用意しておくことで、エクシーズ召喚の択が広がります。
素材を余してアーゼウスになってくれれば万々歳です。
「深淵に潜む者」
素材を1つ使うことでターン中相手の墓地のカード効果の発動を封じる、ランク4の置物その3。
オピオンでカバーしきれない、小粒モンスターの墓地効果でアドバンテージを獲得してくるようなデッキに対して用いることになります。打点はやや心許ないですが、仮に殴り倒されたとしても1ターン分の役目は果たしているのでトントンです。
ただし、蘇生に関しては全くの無力なので要注意。
採用しなかったカード
「レスキューラビット」
召喚権を消費してヘリオロープ2体を展開、ロケットスタートを切る初動要員。
ラビット1枚からオリジンやオピオンに繋がるのは十分魅力的ですが、同時にいくつかの難点を抱えています。
ラビット召喚権を割いてうららや泡影などを食らった場合、基本的にこちらの動きは停止します。「墓穴の指名者」等で守ろうとする場合、結局のところ2枚消費して2体を並べることになります。
それならばカストルから手札のヴェルズを吐いていく方が、妨害をすり抜け柔軟に行動しやすいのではないか、ということです。
結果として出てきたオピオンに妨害が飛んできた場合でも、ターンを渡せば効果は復活しますし、生き残ったなら再びサーチが打てます。妨害が泡影であれば、汎発感染で弾くことも可能です。
初手にラビットが2枚ある場合、1枚は確実に腐ります。アドバンテージ獲得手段の少ないヴェルズでは、死に札を抱えるのは極力避けたいことです。
ラビットを成功させたとしても、デッキ内にはラビットが1〜2枚、ヘリオロープが0〜1枚残存します。ヘリオロープは侵喰感染で回すことで回避できますが、ラビットのトップは回避手段がありません。
いずれの場合もケルキオンと侵喰感染を併用することで二度目のラビットの発動が狙えますが、ラビットのためにこれらの発動機会を消費するのはいささか本末転倒だと感じます。
初手にヘリオロープが複数枚来た場合はどうしようもないにせよ、「予想GUY」であれば召喚権を消費せず、かつ素引きによるリスクを軽減できるという判断から、ラビットについては不採用としています。
「インヴェルズの魔細胞」
フィールドレスで特殊召喚できるインヴェルズ。オリジンの登場によって、リンク素材という役割を得ました。
ラビットとは好相性な反面、予想GUYとは競合します。マンドラゴと比べ先手を押し付けられた場合でも使えますが、スタッツや特殊召喚の制約の緩さはマンドラゴが勝ります。
良くも悪くもリンク素材専用であり、ダイレクトにランク4へと繋がらないのはいささか煩わしく採用を見送りました。
「ヴェルズ・ゴーレム」
「ヴェルズ・サラマンドラ」
「ヴェルズ・ザッハーク」
「ヴェルズ・フレイス」
「ヴェルズ・タナトス」
不採用のヴェルズたちです。不採用の理由は以下に列挙します。
- ゴーレム、ザッハーク:対象が限定されすぎている
- サラマンドラ:単体で24打点を殴り倒せるものの他のヴェルズを差し置いて採用する意義が薄い
- フレイス:アザトホースと絶妙に効果範囲が被っており守備力の高いアザトホースに軍配
- タナトス:2350という微妙な打点のバニラにモンスター耐性を持たせたところで戦況に変化を与えない
「鉄騎龍ティアマトン」
同じ縦列に3枚以上カードが存在する場合に特殊召喚でき、連動して同じ縦列のカードを全て破壊、さらにそのゾーンを封鎖する効果を持つレベル4・闇属性のモンスター。
後手を取る都合条件は比較的容易に満たせますが、上振れもとい曲芸に等しく、破壊枚数もブラホ・ボルト・激流葬などに劣るため抜けていきました。
「灰流うらら」ほか手札誘発
デッキをヴェルズで固め可能な限りオリジンやオピオンを立てられるようにし、全体除去も積み込む関係でほぼ枠がありません。また、大半の9期以降のテーマに対しては基礎性能の面で大きく水をあけられており、1枚程度の妨害では開いたアド差を埋められずこちらがジリ貧で敗北する可能性が極めて高いため不採用としています。
「センサー万別」
種族統一デッキメタの置物。
真面目にサイドデッキを組むならインしますが、侵喰感染が無い場合カストル2体やマンドラゴ2体といった組み合わせでの展開を行えなくなるため、メインから積むのは難しいと判断。
「キングレムリン」
「御影志士」
「RR—フォース・ストリクス」
ランク4サーチャー。
キングレはアザトホース、御影志士はヘリオロープ(またはゴーレム)、フォースはフレイスをそれぞれサーチできます。
サーチした各種族のヴェルズを侵喰感染の弾丸にする目的で投入することになります。しかし、これらのランク4を立てる時点でヴェルズを素材としている場合、2消費1枚サーチで差し引きマイナスです。(ランク4サーチャーがターンを跨いで生き残る場合はその限りではありませんが)
無理にエクシーズ召喚を行い一時的にヴェルズを減らすよりは、侵喰感染でフリーチェーンの逃げ道を確保しながら戦線を維持する方が妥当との考えから、これらは不採用としています。そもそも侵喰感染は手札を増やすカードではなく、あくまで手札の質を高めるためのカードです。
死
基本的にオリジンを置いて全体除去を振り、オピオンを立ててサーチ後殴ってターンを返します。汎発感染で魔法・罠の影響をシャットしながらモンスターを湧かせ、落ちたヴェルズをケルキオンで回収しつつ要所要所ランク4を差し込んでいくのが勝ちパターンです。
負けパターンについては、
- 対面がオピオンを苦にしない
- 対面に破壊以外の除去が豊富である
- 対面が除去に対して耐性を持っている
- 対面が後続確保を容易に行える
等々、これらの条件を複数満たしている場合がほとんどです。
強いデッキ、だいたいそうなのでは?
【電脳堺】。捲り切ってオピオンを立てておけばワンチャンありそうですが、V.F.D.の闇宣言で確実に1ターンスキップされます。汎発感染でシャットしながら激流葬を構えて…それでも速度では全く追いつけないかと思いますが、シンクロを振り回してくる分他のデッキより僅かに(相対的に)勝ちの目があります。…ある、かな?
シュライグ擁する【鉄獣戦線】。邂逅で耐性を付与しながらシュライグが飛んできます。オピオンも全く効きません。勘弁してください。
【エルドリッチ】。オピオンが立ってても卿自ら墓地へ向かうことで問題なく除去できます。あとはゾンビのように卿と罠モンが湧いてきて終わりです。
【転生炎獣】、【コード・トーカー】。専用カウンターを備えつつ、ガチガチのトランスコード+ヒートソウルを構えられます。また、破壊除去でも繰り返し食らえばさすがのオリジンも耐えられません。転生は特にフォクシーを蘇生して侵喰感染を割るのをやめてほしいです。
他のところでは【クロノダイバー】も苦手です。デッキトップを奪われ、対象を取らないデッキバウンスをされ、除去からは逃げられます。
まぁいくら挙げてもきりがないので、この辺りでやめます。
端末世界のボス級ということもあり、フレーバーやイラスト面でかなり人気のあるテーマですね。実際かっこいいです。とはいえテーマ全体は完成されており、新規が入り込む余地はあまりないのも現実です。オリジンはフレーバー的にも戦術的にも奇跡的に噛み合った追加パーツだったと思います。汎用ランク4が増えれば多少はその恩恵に預かれるのではないでしょうか。
侵喰感染で常に手札の質を高めながら、状況に応じた最適解を引っ張り出してくるというツールボックス戦術が好きな方には是非お勧めしたいですね。だいぶ集めにくいですけど。
では今回はこんなところで終わります。いずれまた。